チャイコフスキー堪能

 今年2月に,クルレンティス指揮・ムジカエテルナの演奏で,渋谷のオーチャードホールにて,チャイコフスキーの6番「悲愴」を聴きました。このとき以来,ストレスを溜めて数ヶ月間過ごしてきました。

 鬼才クルレンティスのチャイコ6番はこれまでの演奏と違って新鮮ですごいということでチケットはすぐに完売,この日は満を持して客席に座ったのですが,2つ隣の席のおじさんが,ほぼ最初から最後まで居眠りしているのです(それだけなら良いですが,テンポ良くいびきを奏でます)。そのいびきのリズムは,4楽章の静寂の中で奏でられる弦楽器に完全にかぶってしまい,ラストの消えゆくコントラバスの重低音が全く聴こえない状態でした(そもそも重低音なので,耳をそばだてても聴こえにくい)。うううっっーーー,俺は何を聴きに来ているのか(ため息,ため息)とストレスを極度に溜め込んでいました。私の近くに座っていた女性も「最悪ですっ!」という捨て台詞を吐いて立ち去ったほど。

 そのリベンジではないですが,この7月に,チャイコフスキー4番・5番・6番の交響曲を一気に演奏するという珍しいコンサートがみらとみらいホールであると知り,行ってきました。ポリャンスキー指揮・ロシア国立交響楽団(シンフォニック・カペレ)のコンサートです。2015年来日時にも同じプログラムで演奏し,とても好評だったとのことです。いわゆる一流オケではないけれど,それこそチャイコフスキー堪能プログラムということで,指揮者に対面する正面の席を確保し,今度こそ。。。休憩を入れて3時間15分という長時間,チャイコの叙情的なメロディに酔いしれ,「悲愴」ラストの消えゆくコントラバスの重低音も最後までしっかり聴き切って,半年溜め込んだストレスを,ようやく,ひとまず,解消することができたのです(でも演奏は,ムジカエテルナの方が圧倒的に良かったのでやはり残念なんですけどね)。

 勿体ないなあ,と思うくらい,空席が目立ちましたが,5番が終わった後の拍手は割れんばかりでしたね。本当に好きな人たちばかりが集まったのかもしれません。

 秋になるとコンサートが増えます。日常の喧噪から離れられる束の間が本当に楽しみです。

  弁護士 栗山博史