美術館に行ってきました
この夏、六本木の新国立美術館で開催されていたルノワール展と、横浜美術館で開催されていたメアリー・カサット展に行ってきました。
ルノワールは、私が小学生で油彩画に目覚めたときに(一時目覚めただけでそれ以来無縁ですが…)初めて画集を買ってもらった画家で、そのときに画集で眺めていた絵と三十数年ぶりに邂逅したという感じで、しずかな感動を覚えました。
オルセー美術館の『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』(左)とか『ピアノを弾く少女たち』(右)を初め、晩年の裸婦画など、こんなにルノワールを堪能できる機会は滅多にないと思えるほどの充実した展覧会でした。チケットは前から買ってあったのだけれど、訪れたのは、ちょうど展覧会が終わる2日前でした。もっと早く行っていれば、もう1度行けたかな、と思うと残念でした。
メアリー・カサットは、ルノワールと同じく印象派の画家で、母子など家族の人物画に定評があります。19世紀に21歳で米国から渡仏した女流画家です。男性の画家ばかりだったこの時代、単身、パリに飛び込んで行くのですから、とても勇気のある人なのだと思います。ドガと深い交流があったようです。私は、原田マハの『ジヴェルニーの食卓』という、印象派の画家を中心とした短編集でメアリー・カサットを知りました。覚悟をもった人としての強さの反面、幼い子どもに対するやさしいまなざしを感じます。
『母の愛撫』 『浜辺で遊ぶ子どもたち』
ほんの僅かな時間でしたが、幸せな気分になりました。
弁護士 栗山博史