これでは戻りたくても戻れない

福島原発被害者支援かながわ弁護団の一員として活動しています。福島から神奈川に避難されてきた方々の損害賠償請求を支援することが主な活動ですが、いわき市内の仮設住宅で居住されている双葉郡楢葉町の方々の支援もしています。いわき市には何度か足を運んでいますが、12月9日には、弁護団十数名による現地調査ということで、楢葉町に足を踏み入れました。

2012年の4月から、避難区域の見直しがなされ、3つの区域、すなわち、①5年間を経過しても年間積算線量が20ミリシーベルトを下回らないおそれのある「帰還困難区域」(現在、年間積算線量が50ミリシーベルトを超えている)、②年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがあり、引き続き避難を継続することが求められる「居住制限区域」、③年間積算線量が20ミリシーベルト以下となることが確実な「避難指示解除準備区域」に分類されました。

楢葉町は、8月になって③の避難指示解除準備区域とされ、宿泊はできないけれども、立入をして、片付けなどをすることはできる、とされています。 PC090627

弁護団のメンバーは、被害者の方々と一緒に、町中を車で走り、被害者の方々の自宅をいくつか回りました。自宅の水回りは壊れ、異臭を放ちます。当然のことながら庭の雑草は生え放題。インフラは駅の公衆トイレくらいしかありません。電車は走っていませんから、駅のホームは荒れ、線路も雑草に隠れています。畑などには、放射能に汚染されて処理ができずに放置されたゴミ袋が点在。避難指示解除準備区域とはいっても、いつになったら本当に人が住めるようになるのか…。見通しが持てない状態でした。

せめて、避難生活をされている方々が生活再建ができるようになるまで、東電は金銭的な賠償だけは着実に実行していってほしいと思います。 

                                                      弁護士 栗山博史